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前置詞 on 【英字新聞から学ぶ】
英語の接着剤こと前置詞 【英字新聞から学ぶ】
*音声は下にあります
高木: Lisa~、聞いて聞いて~、Fear became reality なのよ~。
Lisa: 何? 何の話!? fearって… 何が起こったの!?
ってなりますよね。
Fear became reality. = 「恐れていたことが現実になったの」
って言われたら、相手はビビりまくります。 会話であれば、すぐに「何の話?」と聞いたり、それに答えたりしながら話が見えていきますから、問題はありませんね。
一方、読み物というのは、端的に内容を伝える必要があります。新聞のニュースは、小説のように、小出しにしたり、後でジャジャーンと読者を驚かせたりする書き方はしません。 つまり、どんな fearなのかを冒頭から伝えるのが自然な表現の仕方です。
本文の1文目をご覧下さい。
“Fear of possible coronavirus infections on a cruise ship carrying about 3,700 people became reality Wednesday as 10 of 31 passengers tested were confirmed to have positive results, fueling unease among officials that the number could go much higher.”
こんなにも長い文ですが、何が言いたいかと言うと Fear became reality. です。 その他の単語たちは、詳細を表すために、色々な接着剤でくっ付けられた情報なのです。
※ of については昨日のブログをご参考下さい
※ 接着剤って?
onのイメージ
onのイメージが 「○○の上」、と思っている方は今日で卒業しましょう。「〇〇の上」というのはそもそも日本語訳でイメージではありません。
onが表すイメージは「接触」です。何かと何かが触れ合っている状態を表します。(Something is touching something else. という感じ。)
on a cruise ship
船より、バスのほうが利用頻度が高い方が多いはずですので、いったんバスに話をうつします。
Get on the bus, everyone! (みんなバスに乗りましょう)
と言います。 バスの中に入るのに、inではなくonを使います。決してinが使えないわけではありません(それはまた別の回で取り上げます)が、「乗車する」という意味で使う時にはonを使うのが一般的です。
バス、飛行機、電車、新幹線、そして船など、おおぜいが乗りあう公共の乗り物は、大きな板の上に人がくっついているように解釈してください。 以下の写真のように、船であれば甲板という大きなボードの上に人がくっついています。これは、中や内側を表す in のイメージとは離れているのが一目瞭然。
同様に、バス、電車、新幹線など公共の乗り物に「乗車する」というのは(無理やり屋根をとっぱらって想像を働かせると)上の船の写真同様、人が床にくっついているとイメージできるかと思います。
なので、今回の fear of possible coronavirous infection がどこで起こっていることかというと、on a cruise ship(onという前置詞を接着剤として使い、a cruise shipという名詞をくっつけている)という説明をさらに追加し、結果的に Fear of possible coronavirous infection on a cruise ship という長い長い塊が生まれたというわけです。
※以下はThe Japan Times 2020年2月5日の記事抜粋
Ten passengers on quarantined cruise ship test positive for coronavirus
YOKOHAMA – Fear of possible coronavirus infections on a cruise ship carrying about 3,700 people became reality Wednesday as 10 of 31 passengers tested were confirmed to have positive results, fueling unease among officials that the number could go much higher.
くり返しになりますが、長い1文でも「単語たちが、接着剤によってくっ付けられて結果的に長くなっているだけ」と考えると長文を読むのも楽になりますよ!
感染された方々におかれましては、一日も早い回復をお祈りしております。
ofは「の」ではありません 【英字新聞から学ぶ】
ofは「の」ではありません 【英字新聞から学ぶ】
*音声は下にあります
高木:「ofのかもしだすイメージは何ですか?」
生徒さん:「の」です。
高木:「日本語でどう訳すかではなく、イメージです」
生徒さん:「・・・」
英語の接着剤=前置詞
情報を詳しく伝えようとすると、英文はおのずと長くなっていきます。というか、長くする必要がでてきます。長くする、ということは、単語を1つ、2つと足していくわけですが、文として成立するためには、単語同士が正しくくっついていなければなりません。でなければ、バラバラに離れてしまいます。そこで、接着剤が必要になると考えて下さい。
He is a doctor.
He is a doctor at ABC Hospital.
He is a doctor. で文として完成ですが、「ABC Hospitalで働いている」という情報も伝えたければ、at という接着剤を使う必要があります。
多くの場合、前置詞(of, in, at, on, など)がその役割を果たしていますので、今回は接着剤としての前置詞について考えたいと思います。その中でも、of は多くの方を悩ませる単語であります。その理由としては、「の」という日本語で覚えておられ、もちろんですが、「の」がどんな訳にでもあてはまるわけではないため、理解ができないという結果になるのです。
さて、前置詞の後には名詞が続きます。(前置詞=名詞の前に置く詞<ことば>ですが、そうすると後ろから考えることになるので、「前置詞を使ったら、次に名詞を置こう!」と左から右へ向かう考え方をしましょう)
ofの使い方
ofは、算数でいうイコール(=)のような働きをします。「A = A」の「=」がof。
fear = possible coronavirus infections (恐れ=可能性として考えられるコロナウイルスの感染)
が成立します。会話で「イコール」と言うわけにはいきませんので、「=」を of という音に変えて話すわけです。
これも「イコール」が成り立つの?
「一切れのケーキ」は、a piece of cake 。 a piece = cake (???)
このように全く同一の物でなくても of は使えるのです。なぜか。
この一切れというのは、
このホールケーキの一部を切り取ったものです。チョコレートケーキを一部切り取ったところで、チーズケーキになることはなく、小さな一切れであれ、チョコレートケーキには変わりないからです。そのような観点で、「=」が成り立ちます。
It is nice of you! という表現を学生時代に学びますね。なぜ ofを使うのか、というと、ケーキの例と同じで、あなたのniceな性格は、あなた自身の一部であるからです。nice = you.
ちなみに、動詞で「=」を表すのはbe動詞。 このルールを当てはめると、
It is nice of you. ⇒ nice = you ⇒ nice are you ⇒ you are nice.
You are nice. というわけです。
ちなみに
You are nice. という文が「あなたは」ということにスポットライトを当てる(すなわち、youを主語にする)と考えて下さい。 一方、 It is nice of you. というのは、youが行った行為(It)を主語にしてそこにスポットライトを当てている文になります。
※以下はThe Japan Times 2020年2月5日の記事抜粋
Ten passengers on quarantined cruise ship test positive for coronavirus
YOKOHAMA – Fear of possible coronavirus infections on a cruise ship carrying about 3,700 people became reality Wednesday as 10 of 31 passengers tested were confirmed to have positive results, fueling unease among officials that the number could go much higher.
長い1文ですが、単語たちが、接着剤によってくっ付けられて結果的に長くなっているだけ、と考えると長文を読むのも億劫でなくなるのではないかと願っています。
感染された方々におかれましては、一日も早い回復をお祈りしております。